丸染め

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淡いパステルピンクの地色が年齢的にもう着ることがないので、自分の好きな色に変えたいということで染め替えしました。

お客さんのご要望で、出来るだけ安くしてほしい。が先ずあり、またご希望の色が濃い鶯色でしたので丸染めにしました。

丸染めとは、本来は解いて反物の状態にして染め替えるところを仕立ての状態のまま解かずに染めることです。そのため仕立て代が不要ですので安くすみ、納期も短縮できます。
ただ、いいことばかりではなく当然デメリットもあり、胴裏八掛も同じように染まる、若干の伸び縮みがでる場合がある、折り込まれている箇所はうまく染まらないため後々の寸法出しに支障がでる、ムラつき・スレ等がでる場合がある、などなど(けっこうあるなぁ)。

今回丸染めについてネットで検索してみると、思ってる以上に丸染めのことが叩かれてて驚きました。仕立屋さんだったり染屋さんだったり紋屋さんだったり加工屋さんだったり、みなさんキチンと呉服と向き合ってお仕事してられる方々と思います。本来の加工の手順を省略してしまってる!胴裏八掛が同色はおかしい!仕上がりにアラがある!などなど、たしかに厳格なプロの目からすれば気になるとこがちょいちょいある場合もあるでしょう。

しかしお客さんがメリットデメリットを承諾していれば、お手軽な加工(それでもそこそこしますが…)としてアリだとぼくは思います。さらには着物はもっと自由でいいんじゃないのかなって気がします。着方にしろ素材にしろ加工にしろ。日々お客さんと接して特にそう思います。着物好きの方がみなさん常から重厚でゴリゴリの色留めや訪問着着てる方ばっかりじゃないでしょうし。

そして!なにより!丸染め、まあまあキレイですよ!!(笑)