童子の顔に大きなしみ。柄の中のしみでもやっぱり顔となるとどうしても目についていまいますよね。
柄で使われてる胡粉はカビなどで変色してしまうことがよくありますが、ふたたび胡粉を上塗りしてしみを隠す方法や、部分的に漂白・脱色する方法があります。しかし、顔の場合少しの変化でも表情が変わってしまうため、通常の30倍慎重になります(笑)。ほんとにほんとに。
使われてる染料や顔料によっては、洗いの際に目や唇がにじんだり無くなったり(!)してしまうことがあり、そうなると極端なはなし一旦のっぺらぼうにしてから顔のパーツを描き直すことになります。これが仮に、由水十久作のお着物だとすると、何人かいる童子の中に由水十久作ではない童子がまぎれ込んでる!なんてことになってしまうのです!!
この子は薬品によく耐えてくれたんで漂白だけできれいになりました。